Q. 小学生の親ですが、子どもに「やる気」を出させるには、どうすればいいでしょうか。[Q&A 教育・学習・勉強の悩み相談]
A.
子どもを「やる気」にさせるには
自信こそ「やる気」のもと
子どもの「やる気スイッチ」をオンにするには、まずその子の自信を育てなければなりません。「やればできる」という自信と確信こそ、「やる気」のみなもとであるからです。
反対に、自信がなくて、いつもおっかなびっくりでは、一歩前に踏み出すこともなかなかできません。
子どもの自信は、小さな成功体験を積み重ねることで育っていきます。できないことを責めたり叱ったりするのではなく、良い点は小さなことでも、ほめる。これが鉄則です。
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「科学の絵本」「知識の絵本」の効用
「小さな成功体験」は、日常生活のあらゆる場面で積み上げることが可能です。
親のちょっとした心がけで、子どもは少しずつ、けれども長い目で見れば大きく、変わります。
例えば、小学校低学年くらいの場合は、ふだん読んであげている絵本などに「科学の絵本」や「知識の絵本」を加えてみるのも一つの手です。子ども向きの科学の絵本には、幼児向き・子ども向きだからといって決してバカにできない高度な内容のものがあります。もちろん、語り口はやさしく、わかりやすいのですが、大人も知らないような知識がふんだんに盛り込まれているのです。
例えば、
「かたばみには 「さん」が はいっていて すっぱいあじが あるのです」(『ハートのはっぱ かたばみ』福音館書店)(注1)
大人でも「かたばみ」という雑草の花の名前は知らないかも知れないし、「酸がすっぱい」というのは、小学校高学年か中学生でなければ知らない知識でしょう。
5才から低学年くらいの子どもは、「さん」が何かわからないとしても、くり返し読み聞かせているうちに言葉を覚えてしまいます。そして、道端の草を見て「さんがあるから、すっぱいんだよ」と言ったりします。すると、まわりの大人は驚くのです。
「すごいねえ」
「よく知ってるねえ」
こんなふうに、ちょっとしたことを知っていると、親がほめてあげるのはもちろんですが、親以外のまわりの大人までほめてくれるようになります。
こういう成功体験の積み重ねが、子どもの大きな自信につながり、やがて「やる気」へと育っていくのです。
(注1) 『かがくのとも』シリーズの一冊です。 理科や社会に関する絵本として、とくにすぐれているのが福音館書店の『かがくのとも』と『たくさんのふしぎ』のシリーズです。『かがくのとも』は、幼稚園年長から低学年向き、『たくさんのふしぎ』は、小学校中学年向きということですが、いずれも、もっと年上の子どもでもよろこびます。いくつか単行本化されているものもありますが、品切れも多いですし、すばらしい内容のものでも単行本になっていないものがありますので、定期購読をおすすめします。 |
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「ちょっと背伸びした知識」に触れる
同じことは、小学校中学年以上の子どもについても言えます。子どもが意外なことを知っていると、学校の先生もほめてくれますし、先生のその子に対する見方が変わるきっかけになることもあります。
その意味でも、ふだんから学習まんが、事典・図鑑、DVD、カルタや算数ゲーム、絵本などで、「ちょっと背伸びした知識」に触れる機会をつくっておくことは、非常に大切なことです(注2)。
参考 [学習まんが--理科・科学]
(注2) 算数の絵本としては、『はじめてであうすうがくの絵本』(安野光雅)は、もはや古典です。幼稚園くらいから読めるもので、計算などは出てきません。トポロジー、関数など、幼稚園児でもわかってしまうところがすばらしいです。計算ぎらいの小学生にもおすすめです。 『算数の探検』(遠山啓ほか)は、計算のしかたを、「これでもか」というくらいに、ていねいに説明した絵本です。対象は中学年以上です。これをいっしょに読んでいれば、親が説明のしかたをどうこう悩む必要はもうありません。 『算数おもしろ大事典IQ』は、算数・数学のおもしろい話題が満載の、小学生向きの数学史といった内容の本です。小中学生が「アキレスと亀」を知っているなんて、すばらしいと思いませんか。 ゲームとしては、ディジタルなものよりも、カルタやカードなどがコミュケーションの手段としてもおすすめです。とくに、「マスマジシャン」は、低学年の算数から連立不等式までカードゲームにしてしまったというスグレモノです。詳細は、上記リンクから。 |
また、高学年以上、とりわけ中学生ともなると、勉強が急に難しくなるので、そのせいで自信を失い、「やる気」がなくなる子どもが増えてきます。
その大きな原因が「知らないことが多すぎる」ことです。
小さいころから「ちょっと背伸びした知識」に触れる機会があれば、これを未然に防ぐことができるでしょう。
予備知識が「やる気」を生む
この年齢の子どもに限らず、人が「やる気」になるには、「到達可能な目標」が必要です。
すなわち、「ある程度の努力で到達できると思われる、適度に困難な目標」が必要なのです。
ところが、あまりに知らないことが多すぎると、困難が度を超えてしまい、目標が見えなくなってしまいます。それどころか、勉強の内容が自分とまったく関係ない世界の話のように思われてしまうのです。
適度な予備知識があると、勉強をしていても、「ああ、これか」とか「そうだったのか」という気持ちが湧いてきます。そうなると、勉強が面白くなり、「やる気」が出てくるのです。
絵本や学習マンガなどで小学生のうちから「ちょっと背伸びした知識」に触れる機会があったり、親子の日常会話の中に「学びの要素」がある子どもは、勉強の内容が身近なものに感じられるでしょう。そうすれば、その後も「やる気」を保つ可能性は高くなります。
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