小学校入学前から遊べる
かけ算九九ゲーム
(導入編)
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小学算数の「関門」
かけ算の九九を覚えることは、小学生の算数では避けて通れない関門だ。ところが、この関門をやすやすと通り抜けてしまう子もいれば、そこで立ち往生してしまう子もいる。
けれども、九九を完全にマスターしないままで3年生、4年生になってしまうと、その後の大きなつまずきの原因となる。これを放置すれば、ずっと算数嫌い・数学嫌いの子供になりかねないだろう。
そんなことになれば、その子の将来の選択肢は、その時点で限られたものになってしまう。
実際、子供にとってかけ算の九九を「完全に」覚えることは、そんなに容易なことではない。3年生、4年生になってもうろ覚えで、完全にはマスターできていないことも珍しくはないのだ。ところが、その一方で、いとも簡単に覚えてしまうように見える子もいる。それは、なぜなのだろう。
「かけ算」をいつ導入するか
何のことはない。そういう子は、学校でかけ算の九九を習うずっと前から、かけ算というものに少しずつ慣れ親しんでいる。だから学校で導入されたときには、九九の暗記とまではいかなくとも、すでにかけ算の概念には習熟しているのである。
そういう子供にとって、学校で習う九九は、言わば「最後の仕上げ」みたいなものだ。
要するに、九九を覚えることは、どんな子供にとってもある程度時間がかかっておかしくないのである。違いがあるとすれば、その時間がどこから始まるか、どんなふうに始まるかということだろう。
では、どの時期から、どのようにして、かけ算を導入すればよいのだろうか。
時期としては、おそらく幼稚園年長くらいであれば十分可能だろうし、その時期くらいが適当なのではないかと思う。
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数を数える
と言っても、幼稚園児にいきなり九九の暗記を強いることに意味があるとは思えない。
まずは、数を唱えることから始めよう。幼稚園年長くらいであれば、100くらいまでなら数えられる子も多いのではないだろうか。まずは、数を確実に数えられることである。別のページで紹介している算数ゲームをやってみると、数の概念がしっかりしてくるだろう。
100くらいまでしっかり数えられて、数の概念がよくつかめていると感じたら、今度は飛び飛びに数を数えることをやってみよう。例えば、
[0] 2, 4, 6, 8,
10, 12, 14 ……
[0] 3, 6, 9, 12,
15, 18 ………
[0] 5, 10, 15, 20,
25, 30 ……
[0] 10, 20, 30,
40, 50 ………
というぐあいである。
お気付きかと思うが、実は、これが「かけ算の導入」になっているのだ。
「[0] 2, 4, 6, 8, 10,
12」のように一つおきに数えることから始めて、それが確実にできるようになったら、二つおき、三つおきのように、だんだん難しくしていく。また、「[0] 5, 10, 15, 20, 25」や「[0] 10, 20, 30, 40, 50」のように、5や10ずつ数えてみるのも簡単でいい。指を使いながらでも全然かまわないので、お勉強という感じでなく、ゲームや手遊びの感覚で親子が交互に唱えあったりすればいいだろう。
注意することは、例えば、一つおきに数える場合は、「0」か「2」から始めるというように、最初の数に気を付けることである。「1」のような半端な数から始めると、ただ数を足していくだけで、かけ算の導入にはならない。(計算の練習にはなる)。
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